キッチン増築の過程をドキドキしながら見守っているところですが、一番の重労働は、
やはり、地面を深く掘って基礎を作るところです。
ほんの小さなスペースなので機械も入らず、二人の青年が身体を使って掘ってくれました。
土を掘るだけでも大変なのに、大きな木の切り株を取り除かなくてはいけなくて、
それは実際に見ないと分からないくらい困難極まりないことでした。
二階の屋根より高い木が二本もあったので、その切り株の大きさは尋常ではなかったのですが
(下の写真を見てください!)、
お兄さんたちは斧、鍬、チェーンソーと、あらゆるものを使ってなんとか取り除いてくれ、
あっぱれというしかありませんでした。
一旦基礎ができたら、あとはレンガを積み上げていくのですが、
それがどんどん進み、見ていてなんとも気持ちがいいのです。
おもしろいなあと思うのは、
目に見える上の部分よりも、見えない下の部分に相当のエネルギーと時間をかけていること。
それを見ていて、なんて人間に似ているのだろうと思わずにはいられませんでした。
―――人間にとっての基礎は教育。
教育という土台(‘学歴’というより、外からは見えない真の教育)をしっかり築いておくかどうかで、
人生が変わると言えるのではないでしょうか。
父の日に、日本の実家にビデオ通話をしました。
その基礎工事の話を父にしているときに、ごく自然に口をついて出てきた言葉は
「・・・だから、私たちが子どものときから教育を大事にして、
しっかり教育をつけてくれたこと、本当に感謝しているよ。
どうもありがとうね。」
父は、私たち子どもの教育にとても関心を持っていて、
小学校の個人面談も、母ではなく父が行ってくれる、
ということがよくありました。
中学、高校での進学を決める面談は、もちろんすべて父。
母は、父に勉学方面の教育を任せられて、安心していたようです。
愛と知恵を持ってなされた教育は、外からは見えないけれど、
その人の一生の礎となって、豊かな人生を歩むことができる基となりえます。
そして、さらに、人間がすごいのは、もしその若いころの教育という基礎が充分でなかったり
間違っていたり(たとえば、悪い環境からネガティブなことを学んでしまうとか)したとしても、
その人その人の望み、意欲、努力、姿勢しだいで、自分を教育し、よく生きられるように、
日々基礎を打ち立てていくことができることです。
たとえば、また家の例ですが、友達の家が地盤沈下して困っているという状況があります。
この地盤沈下は、土台がしっかりしていないことが問題らしいのですが、
これもその道専門の建築家によれば、お金とエネルギーがかかるけれど、
工事をして基礎を固めたら大丈夫になるとのこと。
大きな家の地盤沈下さえも直せるのなら、私たち人間も、たとえいろいろ間違いや不備があっても、
直したり、補強したり、入れ替えて真新しくしたりできるはずです。
これは一つの小さい例ですが、たとえば、私たち日本人のほとんどは、歴史や生物の教科書で学んだので、
人間は猿もしくは猿人類(ネアンデルタール人とか)から進化したものと信じています。
…かく言う私もそうでした。だから、私は、自分の命が全くの「偶然」によってできたのだと考えていました。
でも、聖書の神さまと出会ったときに、
生きて働いておられる神が私の母の胎の中で私を育んでくださったのだ*1
と知りました。
私の命は「偶然」ではなく、神さまが意図して創ってくださったのだ
ということが示され*2、本当にびっくりしました。
(それに、教科書が間違っているなんて!)
でも、アメリカ人の宣教師がはっきりした口調で教えてくれました。
アメリカではダーウィンの進化論を間違いとしている人も多いということ、
州によってはダーウィンのことを学校で教えていない、ということも!
(私の大好きな三浦綾子さんも、戦後、それまで教えていた教科書を
黒で塗りつぶさせることへの屈辱感から虚無へいたる過程を著しています。
確かに教科書も間違うということもあるのです!
間違ったことを教えられ、信じ、そしてそれを伝えていくということの恐ろしさを、
今また感じています。)
でも、すべて、光に照らせば、真実は見えてきます。
私たちみんな、あなたも私も、光の中を歩んでいくことができますように!
*1「あなたはわが内臓をつくり、わが母の胎内でわたしを組み立てられました。」(詩篇139:14)
*2 私の命だけではなくあなたの命もそうなのです。あなたの命と個性は、「偶然」ではなく、
人間の力を超えた大いなるものによって、愛と目的をもって造られたもの。
あなたはそのままで愛されています。
<おまけ 1>
父との電話で感動したこと。
父「ジョンのお父さんとお母さんはどう?」
私「うーん、最近ずっと話していないからわからないけれど…どうして?」
父「毎日、祈っているから。ジュディ(ジョンの妹)のことも。」
ジョンと別れてからもう20年になるのに!
つまり、私の前夫の両親と妹のことを、まだ父は日々祈っているというのです!!
ジョンと一緒だったときを含めると30年もの間、一日も欠かさず、
それぞれの名前を挙げて祈ってきた父のハートに、
私の心は震えたのでした。
<おまけ2>
このような父に恵まれているのは、確かに「偶然」などではなく、
創造主なる神さまが父を選んで、私を父のもとで教育してくれたのだと、
心から信じ、感謝しています。
<おまけ3>
父の口から繰り返し聞かされたのは「人間、死ぬまで勉強」という言葉。
この言葉のパワーを、今更に感じています。
この言葉を聞かされて育ったから、私も40を過ぎても大学で勉強することができたのかもしれません。
<おまけ4>
基礎工事をしてくれたお兄さんたちと父の日にお喋りしてわかったことは、
一人のお兄さんのお父さんは小さいころ出ていってしまってそのあと会っていないこと、
もう一人のお兄さんのお父さんは刑務所にずっと入っていて、
出てきた後も、お兄さんに生まれた赤ちゃんの顔も見に来ないとのこと。
でも、二人とも、自分たちは素晴らしい父親になると、明るい顔で言っていました。
この話を聞いて、またまた私の胸はキュンキュン。
素晴らしいお兄さんたちに基礎工事をしてもらえて、本当に光栄です。
輝くWellbeingを!
さゆり